
【レトロゲーム秘宝館-別館-】「闘人魔境伝 ヘラクレスの栄光」
「闘人魔境伝 ヘラクレスの栄光」データイースト 1987年6月12日発売
ドラゴンクエストの登場で空前のRPGブームを迎えた80年代後半。どのゲームメーカーもこぞってRPGというジャンルに取り組み、数々の名作・奇作が誕生した時代であった。データイーストもその流行に乗った形でRPGという舞台に参入したのだ。
ギリシャ神話に出てくるヘラクレスの12功業をモチーフにして、諸悪の根源ハデスを倒しビーナスを救い出すのが目的というストーリー。当時ヘラクレスという神話の存在をどれだけの人が知っていたかは別としても、RPGの題材にするには結構な冒険であるような気がする。
この作品に限った話ではないが、やはりどこかドラクエに似ている。RPGブームの火付け役になった存在として基盤になるのはわかるが、フィールドや街のグラフィックはドラクエナイズされたものが多い。
さて、データイーストといえば「デコゲー」という言葉がよく聞かれる。これはデータイーストが持つ独特のゲームセンスや奇抜な雰囲気のことを指す通称のようなものだが、今作にもそれは色濃く表現されている。
ギリシャ神話をモチーフにしているにもかかわらず、体力を回復する食べ物としてとんかつやはくさいが普通に八百屋や肉屋や魚屋で売っている。値段に見合った効果がないことやアイテム所持数制限の関係から、基本的には実用性のない遊びアイテム。
戦闘ではドラクエと違いヘラクレスはよくしゃべる。「ゆくぞ!」「かくごしろ!」「どうだ!」 と、文字だけ見ると勇ましいのだが、実際のプレイだとなんとも脱力感がある。ヘラクレスは一切魔法を使えない(敵は使う)。 さらに特定の敵とも話ができる。「こころみのまど」を使えばボスの心の中だって覗けてしまうなど、中々に面白い。
女神アテナは次のレベルUPまで必要な経験値を教えてくれるが、主人公を「ヘラちゃん」と呼ぶなど性格がやけに軽い。
バグなのか、ねらっているんのかパスワード(蘇生の呪文)でコンティニューすると、全てのボスと宝箱の中身も復活する。また、適当に入力してもゲームが再開出来てしまうことがよくある。
と、基本的なRPGのゲームシステムはある程度の水準でまとまっているものの、欠点もこれまた多い。しかしながら、当時としては独特な世界観、奇抜なアイデアや随所に現れる脱力ポイントが、デコゲーを代表するひとつの作品で、のちのシリーズの展望にもつながった怪作RPGといえるだろう。
コメント
個人的には当時のRPGとしては意外と楽しめた方です。しかしその後のⅡやスーファミのⅢ・Ⅳと比べるとまだまだ荒い印象のRPG。
八百屋はⅡでは消滅、しかし「にんじん」はなぜか状態異常回復のアイテムとして残留しているという…不思議なこだわりもまたデコゲーって感じですな。
レビュー
ヘラクレスという名前が「ヘラの栄光」という意味なので、タイトルは「ヘラの栄光の栄光」
オススメ度 | ★★★★★ |
メジャー度 | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
セクシー度 | ★★★★★ |
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